ライフイベントで離職が起きやすい
業界によって離職率にも大差がありますが、看護師は比較的離職率が高いことが知られています。
この現状をもたらしている要因として、仕事内容や勤務時間などの厳しさが影響していることは否めないでしょう。献身的な姿勢を保って人のために役立つ仕事をするのは看護の基本的な考え方であり、病気に苦しむ人を少しでも安心させてあげられるように日々精進しなければなりません。夜勤が必要となったり、土日にも出勤しなければならなくなったりするのは、病気には休みがないことから避けられないのも事実です。
しかし、このような状況に加えて大きな影響をもたらしているのが性別でしょう。男性看護師だけを見てみれば、女性看護師よりも離職率は高くありません。看護師として働く人が女性に多いために、総合して見た時、必然的に離職率が高くなるのです。女性比率が高いからこそ、結婚や育児といったライフイベントが起きると同時に離職してしまう人が多いのが現実です。どうしても忙しくなりがちな仕事と家事や育児の両立を考えた時、離職することを選ぶ傾向にあります。
しかし、最近では医療機関が再就職を促す傾向が強まってきており、育児が一段落ついてから再び看護師として働き始める女性もだんだん多くなってきているようです。看護師が慢性的に不足している状況にあるため、医療機関も積極的に待遇をよくする試みが続けられていて、家事や育児との両立もしやすくなりました。この状況が続くことで、離職をせず休職という形を取る看護師や、離職をしても後々再就職をする看護師が増えていくことでしょう。